Canonが家庭用3Dプリンタを発売!?(ただし海外一部のみ)

Canon

先日の記事で、家庭用のデスクトップ3Dプリンタは市場規模が小さすぎるので、大手の家庭用IJプリンタメーカーは参入しないだろうと書きましたが、

www.slightlysimple.net

なんと、あのCanonがすでに家庭用3Dプリンターを売っていました。

製品名は、Marv。

ただし、海外、しかも韓国、ドイツ、ポーランドなどごく一部の国限定だったそうです。このたび中国でも売り始めるそうです。

www.ebay.com

Enterprises | Products | CANON

仕様を見ると、

ノズル高さの自動キャリブレーション、冷却ファン速度可変、1ノズルですがフィラメント入れ替えによる複数色プリントなど、3Dプリンタとしても比較的進んだ機能を持っているだけでなく、

複数のセンサーによる安全機構や、待機電力低減など、プリンタメーカー的機能も持っています。

ただ、ヒートベッドなしで、フィラメント対応範囲は狭そう。というか、ノズル温度の使用範囲は書かれていなかったり、専用のフィラメントしか使えない雰囲気もあります。

良くも悪くもプリンタメーカー的な製品のようです。

こういうのをみると、大手が参入しても、確実に専用フィラメント縛りにして利益を取りに来ることが予想されるので、私が大手の製品に魅力を感じることはないかもしれませんね。。

ちなみに開発しているのはCanon Korea Business Solutionsという韓国の関連会社。コピー機の販売だけでなく、自社で開発機能も持っているそうです。資本の半分をロッテグループが持っているようなので、Canon本社に縛られず、比較的自由に開発できるのでしょうか。

3Dプリンタで安全な食器を作るために最低限押さえたい3つのポイント

3Dプリンタの物作りは、とても楽しいです。そして便利です。

ただ人の口に触れる物作りは、時に命に関わるため、慎重になる必要があります。 正しい知識を持たない3Dプリンタユーザーが増えると、いつか大変なことが起きる恐れがあります。

日本にはあまり情報がなかったので、海外サイトの情報を調べて、それを元に自分でも少し調べたり試した情報を共有します。

Toxic

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CEL Robox Dual materialモデルは国によって付属品が違うので注意

先日、CEL Roboxの大型アップグレードとして、Dual material対応の RBX-02が発売されました。

この新しい方のモデルを、海外も含めて価格比較をして安い国から買おうとしている人に向けての情報です。(日本に何人いるのかわかりませんが・・・・・・)

このRBX-02、製造国のイギリスをはじめ海外では、2~3万円くらい値上げされていますが、日本の販売価格は20万円のままです。

そのため、最近の円安も相まって、ピーク時は倍近くあった海外と日本の価格差がだいぶ減ってきました。

とおもいきや、少しだけ、落とし穴がありそうです。

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3Dプリンタの圧倒的に小さな市場規模をグラフ化してみた

3Dプリンタの構造は、通常のインクジェットプリンタの構造と非常によく似ています。

インクを吐出させるインクジェットヘッドの代わりに、プラスチックを出すノズルをつけて、あとは高さ方向に動けるようにしただけです。

大手プリンタメーカー、CANON、エプソン、hpなどがこれまでのノウハウを生かしてプリンタを作れば、5万円くらいでこれまでにない高精度、高信頼の機種が作れて、市場は総取りできるはずですが、各社、家庭向け3Dプリンタは販売せず、全然数の出ないであろう一台数千万円の機種だけを開発しています。

理由としてよく言われるのは、販売台数が稼げず、利益が出ないから、という理由ですが、でも3Dプリンタは成長市場のはず。今のうちに参入してもいいのではないかとも感じます。

そこで、実際どのくらい違うのか、見てみました。

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世界の定番 オススメ3Dプリンターリスト 2017年版(3d-hubs Printer Guide)

3Dプリンターの購入を検討するに当たり、日本語で検索をしても、なかなかまとまった内容の3Dプリンタの比較情報が見つからず、途中から英語で調べていました。

見つけたサイトの中で、私が一番頼りにしたのが、3d-hubsのPrinter Guideです。

www.3dhubs.com

このガイドでは、8600人を超える3Dプリンタオーナーによる、513機種もの3Dプリンタのレビューをもとに、用途ごとのおすすめプリンタがコメントとともに書かれています。

このサイトは本来、3Dプリンタのオーナーが、出力サービスをするためのサイトなので、判断に使われたレビューも手慣れた人がばりばり使った後に書かれていて、参考になります。

用途別のオススメ機種名だけ抜き出します。詳しくは、英文ですが、サイトを見てみてください。 国内で買える機種には☆をつけます。

PROSUMER

 ・・・高品質、高信頼を突き詰めるプリンター。プロ向け。

  • Ultimaker 2+☆
  • Form 2☆
  • Zortrax M200☆

WORKHORSE

 ・・・失敗少なくわりと高品質で印刷を続けられる。ハード、ソフトのちょっとした改造も可能

  • Makergear M2
  • LulsBot TAZ 6
  • BCN3D Sigma☆
  • Creator Pro☆

BUDGET

 ・・・安く割ときれいなものが作れる。ハード、ソフトのちょっとした改造も可能

  • Prusa i3 MK2
  • Rostock MAX☆
  • Simple Metal☆

PLUG AND PLAY

 ・・・使いやすく安定して割ときれいな出力が出来る。

  • CraftBot PLUS
  • LulzBot Mini
  • CEL Robox☆

SLS

 ・・・レーザー焼結による産業用3Dプリンタ。個人には縁のない価格。

  • EOS P 396☆

このサイトのリストの欠点は、レビューがある程度の数貯まるまではリストに上がらないこと。 なので、このリストには本当の最新機種は出てきません。たとえば、最近発売されたUltimaker 3などは未掲載です。

しかし、それを差し引いても、小規模メーカーが乱立し、玉石混淆の現在の3Dプリンター市場においては、実際に多く使われて高く評価されているプリンターを選べることのメリットは大きいと考えます。

こうしてみると、定番機種の半分以上は、日本国内でも購入できるんですね(ちょっと高いですが・・・)。

ちなみに、そんな中、私が選んだのは CEL Roboxです。

選択した理由はいくつかありますが、1ヶ月以上いろいろ印刷して、自動調整機能のみでこんな感じできれいにプリントが出来るので、気に入っています。

DSC06329

左が積層ピッチ0.2mm、右が0.1mmです。 メカ精度の限界なのか、円筒形を高く積むと、時々X,Y方向にわずかにずれが出るのが気になりますが、それ以外の造形品質は非常に高いと感じます。

Roboxの開封レビューはこちら

www.slightlysimple.net

国内で買うなら、今ならAmazonで2つの材料を同時に使えるDual Materialモデルが1年保証つき、20万円で買えます。

ただ、国内だとRobox用フィラメントは非常に高いので、Roboxを買う人は、いずれ保証を諦めて非純正のフィラメントを使うか、海外からフィラメントを取り寄せる覚悟は必要です。

3Dプリンター CEL ROBOX購入、開封、レビュー

興味があった3Dプリンタを購入しました。

買ったのは、CEL Robox の、シングルマテリアルタイプ。

(※上記デュアルマテリアルタイプは本日時点では公式サイトで未発表なんですが、やはり出るんですね。)

公式サイト:Robox®

この機種の売りは、少ない手間で高品質の造形物を安定して出してくれることです。

そのために、ヘッド高さや台の傾きのキャリブレーションが自動で出来たり、フィラメント種類を(純正を買えば)自動で認識してノズルやヒードベッドの温度設定をしてくれたり、カバーとファンによる気温制御機能もついています。

購入は無保証を前提に、海外の代理店から輸入しました。 イギリス設計、製造の機械なので、Brexitのポンド安の影響を受けてお買い得でした。

こんな箱に入って到着。

DSC05736 同時購入したフィラメントで送料がかからないように、代理店の人がフィラメントを本体と同じ箱の中に同封してくれた関係で、フィラメントのパッケージの箱が畳んで上に置かれています。ありがとうございます。

DSC05737 フィラメントのパッケージ箱を除くとこんな感じ。

DSC05744 袋の中から、本体が出てきました。

DSC05748 付属品の箱の中身はこんな感じ。この箱の中に代理店の人が追加購入フィラメントを入れてくれました。

DSC05751 電源ケーブルは当然イギリス仕様の3本足しかないので、変換パーツをyodobashiで購入しました。BFタイプが合います。 http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001001754115/index.html?_ga=1.17409529.1761922040.1476489223 Amazonのものは、あまり質がよくなさそうだったので。 電源をつないでセットアップ開始。

DSC05759 プリンタ内にあった中の赤い固定部品は、動作確認を兼ねてこのプリンタで出力されたそうです。

DSC05790 説明書に書かれていた3種類の半自動キャリブレーションをして、テスト印刷開始。 10月なので、ハロウィンのカボチャのクッキー型データをダウンロードして作成。 デフォルト設定のままの200umピッチですが、きれいに出来たのではないでしょうか。

はじめ、低スペックのノートPC(Acer Aspire 1830Z)を使うと付属ソフトウェアの動作がおかしく、キャリブレーションもうまく出来ない問題がありましたが、PCを変更してからは問題なく動作しています。

家に着いてから、セットアップ、印刷開始までトラブル込みで2時間くらい。トラブルを除けば1時間以内に開始できたと思います。

数週間使用していますが、基本的に満足しています。